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新建築3月号/出江寛氏巻頭インタヴュー

がんばれ出江寛氏。
と、新建築 2008年 03月号の巻頭インタヴューを読んで応援したくなりました。

「誰かが声を上げなければ何も変わらない。」
JIA次期会長である建築家の出江寛氏は、
そのマニフェストに
「設計事務所の業務環境の改善」と書いたらしい。

要するに、設計事務所で働いている人は、正当な報酬をもらってない。
→だから業務環境が良くない。耐震偽装等の問題も生じる。
ということみたいです。

背景として、ゼネコンやハウスメーカーの営業努力によって
設計報酬タダor激安の風潮が定着した。
分かりやすく言うと、ハウスメーカーなんかが、
「設計料はタダしまっせ。だから家作りませんか?うちに頼んだほうが安いっすよー。」と
営業努力するもんだから、多くのお客さんたちは
建物作る時、建物の材料代と工事代しかかからない
「設計・デザイン料」というものが「作業代」とくらいにしか思ってない。
これじゃ、本当にいい建物はできんよ。
日本はそんな世の中になっている。

学生の時に建築家のアトリエ事務所なんかにバイトに行くと、
オープンデスクという名の下に、バイト代は無料の自給0円というケースも少なくない。
むしろ、修行させてやってんだから金払えくらいのノリですかね。
実際問題、飯とか食うわけだから赤字です。
そんなの「異常」です。
建築学生は、「金くれなきゃ、やらねーぞ。」と全員建築バイトを放棄すればいいんです。
そしたら、少し日本が変わるかもしれません。

でも、そんな金銭的状況になるくらい「設計・デザイン料」というものが支払われていない。
ということなんでしょう。
そんな設計環境じゃ、姉歯事件もおこっても仕方ないと。

そういえば、某ゼネコンで働く会社員でさえ言っていた。
「ゼネコンの設計部は金を生まない部署(設計料はタダだから)で、設計・デザインは
サービスでやっとる。どこで金削るかって言うたら設計料やろ。」と。
プライドもクソもないですね。
昔のT中工務店だけはそんなこと無かったみたいですけど。

よく言う話ですが、欧米においては、職能人(プロフェッション)は建築家・医者・弁護士などを総称し、
ひろく社会から信頼されている職業です。
日本でそんなこといったら「建築家ってそんなに偉かったんだね」と笑われます。
ちなみに欧米では、日本のゼネコンやハウスメーカーとは違い「設計」と「施工」が完全に分離しているので
日本みたいな形の営業努力はない。設計料はなくならない。

この、偽装問題とかで建築が注目されている今、
出江さんのこの行動は
日本において、建築家の職能を再確立できるいい機会になるんじゃないかと。

長くなりました。
頑張ってください。

4 Comments

naho says...""
この前、出江事務所の元所員さんとお話してたんやけど、JIA会長の就任記念パーティーでも、乾杯前の一言で1時間程グラス片手に、このお話をされていたらしいです。熱い!!
頑張って欲しいです。
姉歯問題だけでなく、阪神大震災で倒壊した建物の80%(70%?具体的な数字は忘れましたが…)は、設計と施工が分離していない建物やったし…。姉歯さんは個人やから矢面に立たされてしまったけど、大手の組織でそれが常になってしまってるのであれば許せないですね。
許せないけど、その許せない規模の範囲が大き過ぎてまだ具体的に想像できない。でも、私達がもっと責任を持たなければならない年齢になった時に、少しでも改善されているように願います。
設計料に変化があれば、構造や材料をケチったものが建てられなくなると信じたい。
2008.04.11 20:47 | URL | #- [edit]
TNa says...""
一般の人の「住まう」という事に対する認識が低いと思う。「生活」をお金で購入するものだと考えているんでは?それはつまり、自分のスタイルを、プライドをお金で買っていることに他ならないと。裏を返せば、自分のスタイルが確立できないから買うんですかね。

その結果、そりゃ安い方が良いよねぇと。なるんかなぁ。

建築家への尊敬の念が強い欧州などは、市民一人一人が生活にプライドがある気がします。。


東京に来たし、また呑もうや~。
2008.04.12 01:17 | URL | #- [edit]
もっち says...""
つっちゃんその人んとこいけや!
名字が読めんけど。
2008.04.12 01:22 | URL | #- [edit]
s to u says...""
>nahoちゃん
そう願います。
そうなっているのが、建築界、いや、日本のためです。
姉歯さんも被害者です。
問題を視覚化してくれたんだと思います。
これらを改革するのはハードすぎますが、少しでも変化しないといけないんだと思います。

>TNaくん
プライドという話も一理あると思いますが、私が思うには、今まで人々(日本人)にとって、医者も弁護士も「やばい」時に必要な存在であり、貧富関係なくお世話になる時にはなる。という感じで、建築家は「やばい」時でも必要なかったというイメージなんでしょう。
要するに、建築家を必要とするのは金持ちくらいで、絶対に必要な存在じゃなかった。
しかし、今や耐震偽装の件や、東京にも大地震がくるといった感じで、「良いもの住まう」という事が「安全に生きるために必ず要る」ということになってきたんじゃないですかね。
「そりゃ安い方が良いよねぇ」が、「ちょっとくらい高くても安全なとこにすまなきゃねぇ」になればいい。今の設計料の安さでは何かを犠牲にしなければならず、「安全性」が少し犠牲になってしまったケースが目立ったんですかね。
飲みましょう。

>もっち
「いずえ」と読みます。
今は遠くで応援することにします。
2008.04.14 23:27 | URL | #OLHiJ7es [edit]

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