【建築memo40】坂出人工土地/大高建築設計事務所
09/05/05
香川県立東山魁夷せとうち美術館を見た後、坂出人工土地へ。
メタボリズム・グループの一員だった大高正人さんによる設計で
一級建築士試験にも出てくる広島市基町団地の設計者であります。
坂出人工土地は
簡単に言うと、
集合住宅部分を一層持ち上げ、
できた1階の空間を新陳代謝可能な空き地にしておくというもの。
完成後、下層部分は地元に委ねられ、店舗、駐車場となったらしいという点で
メタボリズム=新陳代謝とからしいですが、
そんなことよりも人工地盤の上にのっけてある
集合住宅の状態がすごすぎた。
建築が成長し続けていてる。
都市が浮遊している。
衝撃的。
保存必須。
挑発的なピンクな階段。
1層目。
駐車場と店舗の間も、鶴橋の高架下のような地下空間でつながれている。
駐車場と集合住宅の断面的なつながり。
駐車場へ降り注ぐ自然光の正体は、井戸から生えた木。
普通に車止っていますが、ここは2層目。
居住者の駐車スペースや駐輪場まである。外壁タイルは個性。自由過ぎる。
屋上庭園っていうか家庭菜園。高架下のような空間に住宅が隠れている。
ここでは、駐禁もくそも無い。
隙間。もともとあったのか、無理矢理に増築したのか不明。
いい感じの路地空間に、もはやここが2層目であることを忘れかける。
興奮冷めやらぬ内に、見学時間切れ。
上手く言葉にできませんが、
なぜか違法的なオーラを放っていて
攻殻機動隊など押井守等が描く廃墟系の未来都市が
ここに実現されていたような気がした。
保存しなくても生き残っていくような
とてつもなくデカイパワーを感じた。
大学生のときに出会いたかったです。
もっと写真が見たい人は、こちらのサイトで見れます。
坂出人工土地
主用途 :集合住宅、店舗
所在地 :香川県坂出市京町
設計者 :大高建築設計事務所
施工者 :竹中・坂出土建建設共同企業体
竣工年 :1968年
memo
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